めまいのリハビリ

当院での眩暈の治療は一般的な薬物治療と当院の独自の治療法である動脈硬化治療が有りますが、まず動脈硬化治療で眩暈は完全に止められる事が判ってきました。つまり眩暈の原因は動脈硬化による内耳神経特に前庭神経への血流障害による神経障害が大きな原因である事が判ってきました。一般的な薬物療法は一時的に血行を改善する循環改善剤や抗眩暈剤、少量のステロイドホルモンですが効果はやはり一時的で根本的な物では有りません。

めまいのリハビリのススメ

一般に眩暈発作時は安静が第一ですが当院では有る程度眩暈が落ち着いたら積極的に動いてもらうことを勧めております。原因が動脈硬化による血流障害である以上、血行を良くする事が全て治療とリハビリに繋がります。眩暈は前庭神経の障害ですから神経機能をある程度改善するためには全身の血流を改善するしかありません。
一部の前庭神経の血流だけを良くするような方法は有りません。最近の様々な研究で色々な運動法が提示されておりますが万人受けするものでは有りません。

学問的に明らかとなっている事をいくつか述べてみます。

(1)まず歩くこと

毎日歩くことが理想ですが一週間に3~4日40分程度歩くだけで末梢血管の循環が良く保たれる事が判っております。最近では有る程度の時間を立っているだけでも循環が良くなる事も解ってきております。つまり足の筋肉を鍛える事です。筋トレはあまり効果が有りません。しないよりはましですが。足の筋肉を歩いて鍛えることのメリットは二つあります。

眩暈が人間に多発する理由は一番大切な脳および内耳神経が一番血流を上げにくい頭のてっぺんにあるからです。一番血流を保ちにくい高い所に有るからです。宇宙飛行士を例に挙げれば、長期の宇宙滞在で地球へ帰還したとき彼らはまず起立不能です。足に筋肉が弱り、血液が足へ下がってしまうためめまいや失神を頻発します。足の筋肉がしっかりしているからこそ重力の影響で下がりがちな血流を頭のてっぺんに運べるのです。ですから全身に(特に頭に)血を送る為には足の筋肉がしっかり発達している事が何より大切です。もう一つのメリットは足の筋肉が血糖をコントロールするのに非常に大切な役割をしている事です。最近になって色々な論文で報告されるようになりましたが、私も動脈硬化が一時は酷く、どうしたら血糖値を安定して下げられるかいろいろ試してみましたが、少し長く歩いた後の血糖は比較的長期にわたり非常に安定して下がります。この事はもう10年ぐらい前から体験しておりました。つまり足の筋肉が血糖のプールになっていると考えて頂ければ判りやすいと思います。血中に血糖が多いときは筋肉が吸収してくれ、下がりすぎる時は筋肉から血糖が補充されるのです。上にも述べましたが眩暈の原因が動脈硬化である事が明らかで有る以上原因はLDLコレステロールと血糖値です。その一方の血糖値が安定するのですから、歩いて足の筋肉を鍛える事は原因に対する根本治療の一つであり自分でできる最も簡単な方法です。

(2)食事について

 当院では患者さんの血糖値の数値に合わせて色々な食事に関するアドバイスを行っております。実は当院の検査の結果、日本人の多くは異常血糖値を示しており、血糖値が本当に綺麗な方は非常に少ないのです。ですからここに述べる食事に関する事は殆どの方に当てはまると思います。これはリハビリでもありますし同時に大切な治療でもあります。
 最近ローカーボという言葉が盛んに使われるようになってきましたが、いわゆる炭水化物ダイエットです。炭水化物を極力控えると言う事です。日本の食事はヘルシーと言われますが、事実では有りません。最もヘルシーな食事は地中海料理です。この事はもう何年も前にイスラエルの医師が論文で証明しております。地中海料理の特色は炭水化物が少なく豊富な野菜とナッツ類、豆類、魚介類、それとオリーブオイルから構成されています。科学的にこのいずれもが動脈硬化に良いとわかってきております。可なりの肉体労働以外は実は炭水化物は必要ありません。特に老人は新陳代謝が低い為全く必要ありません。最近日本でも低炭水化物食の健康への効果を報告した論文が出てくるようになり、その必要性が証明されております。ハッキリ言って健康になりたいなら炭水化物は極力減らすことです。体重も減り血糖値も下がり、動脈硬化症の原因の一つが消えるのですからこんなに有効な方法は有りません。

もし炭水化物をどうしても取りたいならいくつか方法が有りますので述べてみます。

  1. まず食事の中で炭水化物の摂取は一番最後にする事。
    おかずが先に胃腸に入るとその後に入ってくる炭水化物の吸収を体が抑制する事です。
  2. ご飯でしたら白米ではなく玄米が理想的。
    食べる炭水化物も出来るだけ繊維が沢山入っているものが良いからです。
    パンにしても日本のパンは白くて柔らかい物が多いのですが、これは一番よくありません。何故なら消化が良くてすぐに吸収され血糖値が一気に上がるからです。出来ればライ麦パン等のように硬くて色の濃い物ほど適しています。つまり炭水化物に関しては出来るだけ消化吸収が悪いものほど最適です。
  3. 毎食前に野菜と魚を少し食べる事。
    血糖値の吸収が抑制される事も判ってきました。野菜は生でも火を通したものでもいいのですが当院では野菜サラダをお勧めしております。一方魚に関しては簡単で使い勝手が良いのがツナ缶デス。丸々一缶ではなく三分の一か四分の一で十分です。ツナサラダとして摂って頂くと簡単です。非常に有効な方法ですので是非試してみて下さい。
 <気をつけていただきたいこと>
 よくダイエットと称してカロリーを制限する話が巷には溢れておりますが、これは全く効果が有りません。カロリーは十分に摂って炭水化物だけを制限するのがベターです。これで体重が減り血糖値が下がりおまけにLDLコレステロールも減ってきます。この方法ではリバウンドが殆ど有りません。最近の論文では糖質を制限するとLDLコレステロールも減ってくることがちゃんと証明されております。当院は動脈硬化治療が専門ですから当然血糖値の治療もおこないますが、血糖値がきちっとコントロール出来ている方はLDLコレステロールがどんどん減ってきますので、コレステロールの薬が最初ほど要らなくなり殆ど無しでも治療できる方が多くおられます。逆に血糖値が十分コントロールできない方はLDLコレステロールが上昇してきて薬がどんどん増えてくることになります。こういう方はハッキリ言って炭水化物依存症の方です。残念ながら日本人には結構多いのです。私も日本の医師である以上薬の出せる量は決まっておりますので、治療を辞めざるを得ません。炭水化物と命とどちらが大切か?という話になります。もう一つオリーブオイルの話をします。このオイルはコレステロールを上げませんし勿論血糖値も上げませんので非常に有効なエネルギー源となります。サラダなどに沢山使ってください。医食同源と言いますが食事もかなり有効な治療法です。

(3)入浴について

 もう一つ最近になって明かになってきたことは入浴です。以前から入浴は末梢血流に対して改善作用が有る事が判っておりましたが、入浴する事で末梢の新しい血管が増えてさらに血行が良くなる事が判ってきたのです。当院では以前から41度のお湯なら10分、42度なら5分毎日入浴することを勧めておりましたが、その方法の有効性が証明されたわけです。特に老人の方で足が悪くて十分に歩けない場合や、天気が悪くて外で歩けない場合には入浴は非常に有効な方法です。入浴に関して注意してほしい事を述べます。時に動脈硬化の酷い方はお湯から上がるときに血液が下がって眩暈を起こしたり気を失ったりすることが多いのでゆっくりと湯舟から上がる事です。
 もう一つはお湯から上がった後の周りの温度です。冬には風呂周りの温度が低くなり湯上りに体の温度が急激に下がり血管が収縮して血圧が急激に上がり、脳卒中を起こし易い事です。寒い冬の日の入浴は必ず周りの温度を十分温めてからにして下さい。

上にあげた運動療法や食事に関する情報は自己管理において非常に有効な方法ですから、病気になっていない方、めまいの症状を訴えていない方にも全身の血流を改善することに大きく関係いたしますので、是非とも実践していただくことを推奨いたします。

一度、当院にお電話ください。TEL: 0740-32-3317