当院では糖尿病患者さんに対して、改善という事ではなく、
完全に糖尿病を治す、という事をモットーにして治療を行っております。
なぜそれが可能なのか?
それは糖尿病が如何にして発症し、それを治すためにはどういう治療をすれば良いのか?
そのメカニズムの詳細を把握しているからです。
糖尿病の患者さんが来られて、以前の治療内容を見せて頂くと、単に血糖値のお薬が少量処方 されていて、HbA1c(ヘモグロビンA1c) が7.0~8.0%でまあまあいい状態ですねと言われて、治療をそのまま継続されている場合が殆どです。
はっきり申し上げて詳しい食事のとり方やその内容について詳しく指導を受けられている方は全く見かけません。それでは糖尿病が完治するわけが有りません。
そもそも糖尿病専門医自身,糖尿病が治る病気であることを知りません。
嘘だと思われるならば、いろんな医療系の糖尿病に関する雑誌を読まれたらわかりますが、糖尿病が完治するなどという記載が全くないことがお分かりいただけると思います。
ではHbA1cに関していくらまで数値が下がればほぼ糖尿病が治ったと判断できるのか?
その数値も全く分かってはおりません。もちろん当方ではきちんとその数値を把握しております。
ではどうして当院では糖尿病が治るのか?
ちなみに私自身が以前糖尿病で、HbA1cが6.5%有りましたが現在のHbA1cは4.9%です。
最近来られた患者さんの例を挙げると、右の突発性難聴(ほぼ聴力喪失)と激しいめまいで外来を受診され、
問診にて以前HbA1cが12.0%有り、インスリン注射4本と少量の血糖値薬でコントロールされており,受診時はHbA1cが7.5%でした。
血管年齢も高くこのままでは聴力回復は見込めず、
めまいも止まらないことが考えられるためにまずインスリンを止めることに集中して治療を行い、尚且つ内耳の治療も同時に行いました。
2.5か月経った時点で、インスリン注射を完全に止めて、めまいも完全に収まり聴力も60dBまで改善し、
血管年齢も正常化してHbA1cは5.2%まで改善しました。もちろん血圧も正常化しました。
なぜこのような治療が可能なのか?
それは血糖値の治療しか行わないことが,血糖値が良くならない一番の原因だからです。
ここでヒントを出しますが、高血糖は何を引き起こすのか?
答えは動脈硬化症です。高血糖が動脈硬化症の大きな原因である事は、医学生や看護学生、薬剤師の方でも皆知っています。
つまり動脈硬化症を引き起こしているのだから、動脈硬化症の治療を行わないと血糖値は全く良くなりません。
単に血糖値だけではなく、他の原因となっているLDLコレステロール値(悪玉コレステロール)や高血圧症にも目を配らないと血糖値が良くなるわけ ではないのです。
当院ではまず結果として起こっている動脈硬化の治療に主眼を置き、そのうえでその方の血糖値を同時にどうしたら一番効率的下げて行けるのかを考え、内服に加えて生活指導、食事の詳細な検討から行ってゆきます。
ですから上に述べたような治療効果が出てくるのです。
ここで血糖値に関する正解を述べましょう。HbA1cに換算すると凡そ5.1%以下が、糖尿病が完治した言える値です。
血管のパターンによってやや幅はありますが、5.6%を超えると非常に危険な状態になってきます。 それは世界中の様々な論文で明らかにされていることです。
当院の多数の患者さんの統計解析でも5.6%を超えると様々な症状が出てくる可能性が非常に高くなってくる事がわかっております。
ですからHbA1cが7.0~8.0%でよいという事は全くありません。
最近の厚生省の統計では日本人成人男性の5人に1人が糖尿病であることが報告されております。糖尿病は動脈硬化症を引き起こしやすくなりますから、脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血、心筋梗塞、狭心症、大動脈解離、腎不全による透析治療、等大きな血管の病気を起こしますし、それだけでなく癌を非常に起こしやすくなりますし、認知症にも成り易くなります。
高齢化社会になってこれらの比率はどんどん高くなってきますから、厚生省は気が気ではありません。是非とも糖尿病は完治する病気だという事を理解していただいて、積極的に治療を受けられることをお勧めします。
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