当院における難聴の診断

一般的な難聴の検査や難聴の種類について上に述べましたが、ここでは当院での難聴の診断や検査について述べてみます。
当院での過去の調査で特に中高年の感音難聴については動脈硬化による末梢循環障害が主たる原因である事が明らかで有ります。

 したがって一般的な難聴についての聴力検査や内耳機能テスト以外の検査について述べてゆきます。
まず血液検査を行いLDLコレステロール,HDLコレステロール,中性脂肪、HbA1c(NGSP)、を中心として調べます。(この数値が基本的に動脈硬化の原因である。)LDLコレステロール,HDLコレステロール,中性脂肪の数値に関しては検査上の数値がそのまま血液中の数値でありますが、問題はHbA1c(NGSP)です。これは過去三か月間どの程度の高血糖に晒されていたかを示すものでこれが正確な血糖値を反映するものではありません。

 一般の糖尿病専門医はこのHbA1cという数値を指標として治療を行っておりますが、この数値はかなり血糖値が高い糖尿病の方の指標としてある程度有効であると言う事だけです。実際にはこの数値が低くても明らかに血糖値が高い患者さんは沢山おられます。この方の血糖値のチェックの為には当院でブドウ糖を飲んでもらって血糖値を測定するブドウ糖負荷テストが不可欠です。それも一般的に行われるブドウ糖負荷テストとはかなり異なります。
これを行う事により実際の血糖値がどのようになっているのか?インスリンを出す膵臓の機能はどの程度障害されているのかが詳細に判ります。ここでは血糖値に関する詳細は省きますが、この検査と治療が最後まで動脈硬化の治療の最重要ポイントとなってきます。

 血糖値に関しては当院の治療は最先端を進んでおります。この事柄に関して糖尿病の専門医に話を聞いても全く判らないし、理解もできないと思います。何故なら彼らの治療は酷い糖尿病をある程度ましな状態へ持って行ける、という程度のものです。当院では重症糖尿病(インスリン注射使用)患者さんのインスリンを止めて内服治療のみとし、尚且つ血糖値を正常に持ってゆくことが可能となっております。つまり糖尿病を治す事が出来ると言う事です。
現在の糖尿病専門医ではそれは不可能です。つまりそこまで出来ないと動脈硬化は治りませんし、それによって引き起こされている感音難聴についても改善は認められないからです。だからこそ血糖値の重要性を強調しているのです。

 次に血管年齢(baPWV)検査について述べます。この検査は動脈硬化の検査で最近注目を集めており、簡単に測定でき検査そのものの信頼度も可なり高い検査と言えます。両腕と両足首に血圧測定用のカフを巻き、腕と足首を伝わる振動の速度で血管の硬さ、内膜の肥厚度、血管内腔の狭窄を診断します。この検査で血管年齢が実年齢よりも高ければ明かな動脈硬化であると診断できます。

 しかしこの血管年齢検査では残念ながら太い血管の動脈硬化しか測定できません。つまりこの検査で異常が有ればかなり太い血管まで動脈硬化が進行しており、当然細かい血管は循環障害を起こしております。ですからこの検査で異常が出なくても細かい血管の動脈硬化は否定できません。

 つまり細かい血管の動脈硬化は有っても現在の検査機械では測定が難しいのです。そこで血圧を測定したり、脈を摂ったり、体の触診を行ったり、様々な問診を行い、どの程度細かい血管が障害されているか医師自体が判断いたします。

 別の稿でも書きましたが血液のデータやその他の検査データを参考にしてもパソコンに向かったままでの診察では全く何も判りません。まして個人の血管はそれぞれ全く別物ですので、薬に対する反応も異なりますし、結果として使用する薬もかなり異なります。まさに診察から治療までアナログ的です。ワンパターンでは有りません。お薬を処方したらそのままの処方のままと言う事はまず有りません。薬の投与によって体の状態は刻々と変化してきますので、その都度薬の量や種類を変えていかなければなりません。完全に血管の動脈硬化がとれて安定するまでは時間が懸りますので、それに対する患者さんの理解も必要です。そのうえで初めて内耳の細かい循環が改善して聴力が上昇してきます。
又完全に細かい血管の動脈硬化が取れてくると末梢の循環が良くなり様々な組織の機能も改善してきますので今までの薬では効きすぎる事が出てきますし、どの辺で薬を減らすのか、又薬を変更してゆくのかがポイントとなります。ですから少し治療したから聴力が良くなる訳でも有りませんので、気長な治療が必要となります。

 現在ある耳鼻科での内耳疾患治療はアデホスやカルナクリン等の血管拡張剤やイソバイド等の抗浮腫薬、メチコバール等のビタミン剤による治療しか有りません。しかし巷には難聴の患者さんは沢山おられます。つまりこれらの薬ではあまり効果が見込めない事の証明でしょう。その証明として、上の聴力データで一般的治療と当院の聴力改善度を比較しております。この中で一般治療群としてアデホスを投与して1~2か月経った聴力を示しておりますが、治療しても全く聴力に変化がなく、統計的にも有意差は認めませんでした。

 当然の事ながら同じ内耳の疾患である眩暈に関しての効果も循環が良くなる訳ですから殆ど消失します。仮に聴力に明かな改善が認められなくても、全身の動脈硬化が取れて循環が綺麗になる訳ですから、これ以上の治療は無いと考えます。

 又この治療の副産物として頭痛や肩こりは全く消失します。頭痛については別の稿で述べますが様々な種類の頭痛の分類がされておりますが、脳の循環を極限まで良くすると頭痛は完全に消失する事が当院の治療で分かっております。つまり脳の循環不全が頭痛の原因ですから現在行われている頭痛の治療は全く的外れな物なのです。
一方肩こりや首こりについては様々な事が言われておりますが、実は脳循環が悪いとそれ以下(脳より下部)の血管が収縮して肩や首の筋肉が収縮してしまうのです。恐らく脳以外の血管を収縮させて血流を脳へ上げていこうとする本来人体に備わっている基本的反射であると推測されます。
つまり脳循環を改善すると全身の血管の収縮が取れて脳以外の循環も良くなることが推測されます。これは当院が行ってきた治療の結果、得られた経験的な理論であると言えます。単なる推測では有りません。やはり人間は進化の過程で一番大切な臓器は脳であり、その血流を維持してゆく事が一番大切であったのでしょう。
残念ながら人間の進化での一番の失敗は一番大切な臓器である脳を一番血流を上げるのが困難な天辺に持ってきた事でしょう。私はその為に難聴やめまいがその他の動物より起こし易くなっていると感じております。つまり人間が元気で有る事の最大の秘訣は脳循環をしっかり保つことでしょう。つまり難聴やめまいを克服する事は全身を克服する事でもあると私は考えております。

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