動脈硬化と耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科と動脈硬化の関係性

耳鼻咽喉科と動脈硬化がどうして関係が有るの?と思われる患者さんが多いと思います。少し詳しく説明します。

例えば感染症を例にとると末梢の血管が動脈硬化で細くなって血行が悪くなると、免疫細胞や抗体が流れなくなる為に感染を完全に防ぎきれなくなる為にすぐ風邪をひいたり、ひいた風邪がなかなか治らない等の症状が出て来ます。
特に慢性副鼻腔炎等の患者さんの血行はかなり悪く、動脈硬化の検査をするとPWV(脈圧波)が高く出る患者さんが結構沢山おられます。この事から感染防御に関しては末梢血流の減少と非常に関係が深いと思います。
その為当院では感染症の集中治療も充実しており、毎年肺炎の患者さんも多く来られます。抗生剤の点滴と内服治療を併用で行い改善日数も早いと思います。

つまり、私がお伝えしたいことは「肺炎の患者さんの殆どは血管年齢が高い」のです。この事からも私が述べている事が理解していただけると思います。こういう方に当院の動脈硬化の治療を受けて頂き血管年齢が正常化すると、風邪に罹りにくくなりますし、もし引いたとしてもすぐに治ってしまいます。

アレルギー疾患と動脈硬化の関係性

次にアレルギー疾患に関してですが、この疾患に関しても末梢循環障害が大きな意味を持っております。過去の報告に於いて末梢の血管の流れが悪いと好酸球が破裂しやすくなり、好酸球中に含まれるアレルギー惹起物質が放出されやすいことが報告されております。
もう一つの大きな原因はアレルギー反応を抑制するサプレッサーT細胞が末梢を流れなくなる為にアレルギー反応が非常に起こりやすくなるです。事実過去の論文で喘息やアトピー性皮膚炎の患者さんのサプレッサーT細胞の働きが非常に悪い事がいくつも報告されております。この様な患者さんに動脈硬化の治療を行い末梢循環が改善するとサプレッサーT細胞が十分に流れて不必要なアレルギー反応が抑えられます。

当院で治療されている重症慢性気管支ぜんそくの患者さんの場合

当院で治療を行っている多くの患者様が末梢機能改善の治療開始から2~3ヶ月すると呼吸機能がかなり改善し酸素飽和度も98~99%となり喘息発作も殆ど出なくなります。大人の重症アトピー性皮膚炎も湿疹が殆ど痒みもなくなります。

当院で治療されている神経性疾患の患者さんの場合

神経性疾患についてですが、神経障害の原因についても神経に酸素と栄養を送る栄養血管が血行障害を起こして神経機能が低下する事が殆どであることが判ってきております。顔面神経麻痺も末梢機能の改善による治療でほぼ完治します。

その他の疾患を治療されている患者さんについて

耳鼻咽喉科領域での他の神経疾患と言えば味覚障害が有りますが、現在治療を受けておられる患者さんで治っていない患者さんは一人もおられません。味覚障害は現在亜鉛治療ぐらいしかありませんが、当院の末梢循環の治療で早期に治ります。しかし問題は嗅覚障害です。慢性副鼻腔炎の存在やその神経の脆弱さから障害がかなり長期にわたっている場合は治りにくい場合も有ります。これからの課題です。
つまり末梢循環障害の影響は感染、アレルギー、神経性疾患と病気のほぼ全てに関係している事が当院の調査で明らかとなってきました。そのため、耳鼻咽喉科を受診される患者さんのほぼ全てが程度の差こそあれ何らかの末梢循環障害を起こしていると当院では考えております。

スギ花粉の治療に関して

耳鼻咽喉科の代表的疾患であるスギ花粉症について少し述べてみます。
2011年の春に200人のスギ花粉症の患者さんにアンケート調査を行い、同意を得て93人の患者さんに血管年齢の調査を行いました。その中で58例の方が明らかな血管年齢のオーバーを示しました。
PWVの血管年齢が異常高値を示すという事は末梢血管だけでなく明らかな太い血管も動脈硬化を起こしているという事を示しています。これだけでもアレルギー疾患の末梢循環障害説を十分に示す物と考えます。ほかの随伴症状をいくつか質問しておりますが、明らかに多かった答えは頭痛、肩こり、体の冷えでした。思い当たられる方は多いのではないでしょうか。しかし残念なことに、明らかな動脈硬化のあるこの58人の中で実際動脈硬化と花粉症の併用治療を行われている患者さんはごく僅かです。残念なことです。

この血管年齢がオーバーしている事の意味を何度も説明するのですが、スギ花粉の治療だけで末梢機能の改善に積極的に行おうとされる患者様はあまりおられません。血管年齢を改善することが本質的な「体質の改善」となり、「スギ花粉症」の治療だけでなく、「万病の予防」につながると当院では考えております。

院長の一言

この血管年齢の意味する数字は可なり精度が高く、現在動脈硬化を示す指標の中では最も信頼度の高い検査です。日本人は実際明らかな症状が無いとなかなか治療されません。将来心筋梗塞や脳梗塞で死亡する確率が明らかに高い事が判っているのにもかかわらずです。私の住んでいる滋賀県は特に要注意の県です。特に女性が問題で、平均寿命は84歳と日本の平均寿命と大差ないにも関わらず、所謂元気年齢の平均が71~72歳と日本最下位です。(尚、元気年齢とは脳梗塞・心筋梗塞・認知症・がんといった疾患を発症する年齢です。)
また、上にも述べましたが、花粉症も明らかな動脈硬化疾患の一種です。花粉症が慢性化した状態を放置しておくと当然脳梗塞の発作を起こす確率が高くなります。

つまり、一度脳梗塞を起こしてしまうと、その後の12~13年間(=平均寿命-元気年齢)もの長い間本人も苦しいですし、医療費も高くつき、介護が発生した場合はご家族の方を中心とした身近な人に迷惑を掛けてしまいがちです。

たかが花粉症ではない事を肝に銘じて頂きたいのです。当院では本当の根本治療を行っておりますので、頑張って動脈硬化治療をやってみようという方をお待ちしております。

一度、当院にお電話ください。TEL: 0740-32-3317

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